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ペイントドットネットは画像作成用ソフトです。 MS Windows 付属の画像作成用ソフト paint の後継ソフトとして MS の指導の下で 開発されましたが、現時点では無料ソフトとして公開されています。そのため、 MS Windows でペイントを使った経験がある人には、とりつきやすいと思います。 名前の通りペイント系の画像作成ソフトであり、レイヤー機能ももちろんあります。 描画を履歴として記録しており、描画途中のどの時点にでも簡単に戻れる「undo」 機能を備えています。ペイント系のソフトですが、写真の加工・修正機能も 一通り備えています。
基本的な概念
現在の画像作成ソフトが一般的に用いる概念をいくつか説明しておきます。
レイヤー
通常、画用紙等に絵の具やクレヨン等で絵を描く場合、一枚の画用紙に一つの絵が
描かれます。画像作成ソフトで絵を描く場合、「透明の用紙」を必要枚数用い、
それぞれに部分的
な絵を描きそれを重ね合わせて、一枚の絵を作成します。
この「透明の用紙」をレイヤーといいます。
paint.net では、基本レイヤー(新規画像を選択した場合に、セットされているレイヤー)
は、白色に塗られていますが、追加していくレイヤーは透明です。全てのレイヤーが
透明になっている部分は、下地が見えます。paint.net では下地は右図のような
格子柄で表されます。
ピクセル(もしくはドット)
コンピュータでは、アナログ情報を扱えないため、写真等の画像ファイルの表示では、
表示画面を細かいマス目に分割し、マス目のそれぞれを(単色で)着色しています。
左の図は、菊の写真を paint.net で開いた画像ですが、
思いっきり拡大表示すると、下の画像となります。
正方形(古い画像では正方形でない長方形の場合もあったらしい)のそれぞれが
一つのマス目で、単色で着色されています。この正方形を
ピクセル
(もしくはドット)といいます。
硬度、アンチエイリアス、ぼかし
画像が、ピクセル毎の色分けで着色されていることから一つの疑問が生じます。
「境界が斜めになっている部分はどうなるのか?」です。例えば、
黒部分と白部分の境界が斜め直線になっている画像の場合。ピクセルが十分小さければ
右画像のように、見た目には、境界が斜め直線になるでしょう。
ピクセルを識別できるほど拡大表示をすれば、右画像のようにギザギザの境界が
目立ってしまいます。ここまで拡大しなくても、何となく凸凹していると感じます。
それを融和する技術がアンチエイリアスです。
右画像は、アンチエイリアスを有効にして描いた直線を拡大表示したものです。
黒部分と白部分の境界に、中間色の灰色をクッションとして差し挟むことにより
ギザギザを融和します。このクッションをどの程度抑えるかを表すのが、
硬度です。
硬度が弱ければ、アンチエイリアスがあまり抑えられませんから、
凸凹感がなくなります。が、ぼやけた感じになります。硬度が高ければ、
アンチエイリアスがあまり効きませんから、凸凹感はありますが、
クッキリした感じになります。
ぼかしは、境界部分がはっきりしないようになるほど
アンチエイリアスを強めたものと思って下さい。
(ぼかしは、メニューバーの「効果(C)」内にあるコマンドです。)
RGB と諧調
RGB は、三原色 赤、緑、青(Red,Green,Blue)の
頭文字を並べて名付けられた、色の表現法です。三原色の明度を、
0(最小=なし)~ 255(最大)
で数値表現します。例えば、(R,G,B) = (255,0,0) の色は、
赤の明度は最大で、緑と青はなしですから、最高(?)の赤を表します。
また、(R,G,B) = (0,0,0) は '黒' を、(R,G,B) = (255,255,255) は '白' を表します。
明度の数値表現を、諧調といいます。
諧調が 256 段階であるのは、歴史的な経緯、人の目には十分連続しているように見える、
コンピュータのメモリ単位の1バイト(= 256 = 2の8乗)で扱いやすい等の理由
だと思いますが、知りません。
解像度
画像を作成する場合、ピクセルの大きさを決め(例えば、一辺の長さ=0.01mmとか)、
ピクセルを横にいくつ並べ縦にいくつ並べるか
(例えば、横に 6000個、縦に 4000 個とか)を決めると、
画像の幅と高さは自動的に決まります(例えばの場合は、
幅=6000×0.01mm=6cm、高さ=4000×0.01mm=4cm となります)。
一般に、ピクセルの大きさは、辺の長さではなく、1インチ (= 25.4 mm) の幅に
何個のピクセルを並べられるかで表現されます。
これを解像度といいます。
「例えば」の場合の解像度は 25.4mm/0.01mm = 2540dpi となります。
解像度の単位 dpi は、ドット パア インチ(dots per inch)の頭文字を並べたものです。
解像度が高いほど、ピクセルは小さいことになりますから、精度の高い画像になります。
一般に、解像度が 100dpi あれば十分な精度です。
プリンタにも解像度があり、同じく dpi で表されますが、画像の解像度とは少しズレが
あります。それで、最近は、画像の解像度を画素数
とよび、単位も ppi(pixels per inch)となってきているようです。